小児科が他診療科と最も異なるのは、患者である子どもだけでなく、その保護者の対応も看護師の重要な業務に該当することでしょう。傷病を抱える子どもの親は、患者本人と同等かそれ以上に神経が参っていることが多く、看護師の対応にも過敏になっているケースがあります。症状や治療法について気になることがあれば、看護師に細かく質問してくることもあるでしょう。保護者が苛立たないよう、看護師は相手の気持ちに寄り添った丁寧な対処が求められます。
また、子どもは治療を嫌がって抵抗する場合も多いです。特に、痛みや不快感を伴う診療を嫌がることが多く、看護師が上手く宥めなければなりません。診療中はもとより、入院した小児患者に対しても指導が必要です。入院している小児患者が禁じられた飲食物を摂取しないよう教育することも、看護師の役割となります。夜遅くまでテレビを点けていたり、ゲームをしたりしている小児患者がいたら、看護師が注意しなければなりません。そのため、小児科では子どもの扱いが上手な看護師が重宝されます。
小児患者がどうしても指示に従わない場合には、力ずくで抑えなければならないこともあるでしょう。他診療科なら看護師が採血を行いますが、小児科では医師が採血し、看護師は患者の身体を固定する役割を担います。採血の際は、子どもが痛がって暴れることがよくあるからです。治療に必要な行為とはいえ、子どもの身体を傷めないよう、看護師は細心の注意を払って固定することが欠かせません。